オガ炭(おがたん)とは

木材そのものを炭化した炭には黒炭と白炭(白炭コラム・黒炭コラム参照)があり、他に真ん中に穴があいたオガ炭があります。

オガ炭は製材工場などから出る「オガ粉」を添加剤など使わず、加熱圧縮し成型した「オガライト」(成型の薪、人工の原木)を炭化したものになります。

オガ炭は森林資源(木質バイオマス)を有効活用した安全で環境にやさしい木炭です。また、国産オガ炭に見られるように、本来は良質な燃料炭になりにくい軟質な針葉樹などを木粒から高密度に成型することで備長炭に匹敵する木炭にすることができる技術とも言えます。

オガ炭とオガライト

外観の特徴

  • 真ん中に穴が開いている(*穴の開いていないオガ炭も存在する)
  • 断面形状は四角、六角、丸などがある
  • 硬いが軽くたたけば折ることができる
  • 四角形の太さは4cm前後
  • オガ炭の白炭やきと黒炭やきはプロでも見分けが難しい
紀州備長炭と各種オガ炭

性質の特徴

  • 爆ぜない
  • 着火には少し時間がかかる(備長炭と黒炭の中間)
  • 火力は強め
  • 火持ちは長い(備長炭と黒炭の中間)
  • 原料や成型技術の違いによって燃焼・灰の量が変わる

産地

  • 日本国内のメーカーも何社も存在するが西日本での製造が多い。
  • 海外では中国、インドネシア、マレーシア、ベトナムなどで製炭量が多い
  • 国内工場ではほぼ全てが白炭やき
  • 海外では日本から技術を供与した一部を除いて黒炭やきされたオガ炭が多い
  • 原料の違いや土など不純物の混入により燃焼時の灰は多くなる

オガ炭の白炭と黒炭の違い

オガ炭の場合でも白炭やきされたものと黒炭やきされたものでは、天然木炭同様の特徴がでます。
白炭やきにする場合は高温の精錬に耐えられるようオガライトも堅く成型されます。

ブリケット炭との違い

同じ成型炭でも、海外のBBQなどでよく使われる丸い形やハチの巣状のブリケット炭は、粉末状の炭化した粉に主にでんぷんを用いたつなぎ(バインダ)や着火剤を添加し固めたものでオガ炭とは製法が違ってきます。

オガ炭・・・木材の粉を接着剤・凝固剤を一切使わず圧縮した木の棒を炭化した炭
ブリケット炭・・・ヤシ殻などを炭化し、粉状の炭を凝固剤で固めた炭

ブリケット炭は着火が容易なものが多く使いやすいですが、燃焼時ににおいがする、もろいため崩れやすいので火持ちが悪くなりがちで、火力もオガ炭より劣ります。

アメリカ産チャコールブリケット
オガ炭(左)と形の似たブリケット(右)
ブリケット燃焼時の様子
ブリケット燃焼時の様子2

使用されるシーン

  • 焼肉店を代表とする飲食店での使用
  • BBQ料理のお店やBBQ施設、グランピング施設
燃焼するオガ炭
燃焼するオガ炭

製造法

(A)原料

オガ炭の原料は、木材の製材所から出るオガ粉や木材チップです。

(B)乾燥 

一定の細かさのオガ粉だけを選別し、乾燥します。

(C)成型

乾燥したオガ粉に熱を加え圧縮し棒状に成型します(オガライト)。強い力で押し固めることで、木材の持つ天然成分(リグニンなど)が接着剤の役目を果たすので、化学物質などは一切使われていません。

(D)炭化

炭化炉(炭窯)でオガライトを炭化して、オガ炭が出来上がります。オガ炭にも炭化炉を完全に密封して消火する「黒炭」(こくたん・くろずみ)と燃えている状態 で炉の外に出して消火する「白炭」(はくたん・しろずみ)があります。

参照:日本オガ炭生産者協議会